REPORT 1

 
 2001.12.21.Fri

 12月のゲストは染谷俊さん。相沢が1996年にリリースしたアルバム「安心毛布」に 楽曲提供をしてくださった、熱くひた向きなパワーに満ち溢れたアーティストです。
 染谷さんは放送前日(12/20)にピアノのインストゥルメンタルアルバム「冬のピアノ〜 僕達のレクイエム〜」をリリースしたばかり。ずっとクラッシックを志していた 染谷さんがロックンロールに目覚め、そして再び自分の「血」の中に流れている「ピ アノ」と向かい合うまでの葛藤を、美しい旋律をバックに語ってくれました。

 「決められたレールに縛られているのが嫌で、ロックンロールの道を選んだ。しば らくはピアノをやっていた自分と決別しようと躍起になっていたけれど・・・バブル が弾け、友達や父親が職を変わったり、自分自身の活動状況にも影響が出てくる中で、 自分ひとりで歩いていかなければ、という意識が強く芽生えた。その時、自分にでき ることを考えたらそこにピアノがあった」500

 話を聞きながら大きくうなずいていた相沢。確か彼女も以前、「事務所もレコード 会社も辞め、誰にも頼らずひとりで歩いていくしかないんだと分かった時、自分には 紙と鉛筆しかないと思った」と話していたことがある。
「私は染谷くんの過去やピアノについての思いをそれほど知っているわけではない けど、やっぱりピアノが染谷くんの原点になっているんだと思うし、それを否定する のではなく受け入れて行こうと思えたことはピアノにとっても嬉しいことだと思う」
「そうだね。今ある自分を大切にしたいし・・・自分を嫌いになっても仕方ないしね」

 そうしてピアノと仲直りをした染谷さんがまず始めたのは、「やわらかな革命」と いうピアノの弾き語りライブを毎月行うことだった。相沢もそのステージには頻繁に 通い、大きな刺激とパワーをもらったと言う。
「私の染谷くんに対する印象は、とにかくいつも忙しい人(笑)。片時も休むことな くひたすら走り続けている人。私は根が怠け者だから、ホントに尊敬します」
「いや、僕もそうなんですよ。怠け始めるとどこまでも怠けちゃうから、動いてな いと不安にかられる」

 その後も染谷さんはライブ、イベントを多い時には週に一本のペースで続け、平行 してオリジナルアルバムとピアノアルバムをリリース、さらに最近では渡辺美里さん に楽曲提供をしたり、矢沢永吉さんや黒田倫弘さんのステージにピアニストとして参 加するなど、精力的な活動を展開。
「いいですよ、新しいアーティストと出会うとそれだけ刺激になるし。特にボス (矢沢さん)の音楽に命をかけているかのような情熱、純粋な姿勢からは学ぶところが 多かった」

 相沢もこの話には興味津々で、「矢沢さんってどんな人? 怖いの? 弾いてる時っ てどんな感じ?」と素朴な疑問をポロリ。曲がかかっている間、「何か飲み屋の会話 みたいになってない?」と思わず苦笑いする場面も。
そして引き続き「表現していく」ことの意味や姿勢について、話題は深く掘り下げ られていき・・・久しぶりの対面ということもあり、ふたりの会話は番組終了後も尽 きることなく続いていました。


1 ROCK YOU/染谷俊
2 help/相沢友子
3 僕達のレクイエム/染谷俊
4 YELL/染谷俊
5 truth/渡辺美里
6 永遠のひとかけら/矢沢永吉
7 夜明けの行進/染谷俊