REPORT 17

 
 2003.04.25.Fri

 あんなに美しくも可憐に咲き誇り、私たちに春の楽しみを与えてくれていた桜の花の替わりに、黄緑色の葉が優しく風にゆれている今日この頃。
 そんな4月のゲストは、ドランクドラゴン。「はねるのトびら」のレギュラー化が決定し、日本中を毎週笑いの渦に巻き込んでいる、今最も注目すべきお笑い芸人さんだ。 この番組が始まって以来、初めてお迎えするお笑い芸人さん…ということで、打ち合わせは緊張したり大笑いしたりの繰り返しだった。

 それは、いきなりやってきた。


 相沢はいつものように、落ち着いた口調でこう言った。「それでは早速、今夜のゲ ストを御紹介したいと思います。ドラゴン・・・・・・・(後が続かず)」
 「!? ちょっと!ちょっと相沢さん?!いきなりすぎるでしょう!」塚地さんが目を丸くして叫ぶ。
 「なぁんすか、ドラゴンって」鈴木さんのメガネがずれる。
 「ドラゴンボールを紹介しようとしたでしょ〜、確実にぃ」と塚地(以下 塚)さん。
 「それかクエストかどっちかでしょう〜」と鈴木(以下 鈴)さん。

 「あはははは(笑)いやぁ…今のはぁ、え、今のはオイシかったのぉ?(笑いを抑えようとしながら)」という相沢に、「どあっはっは」とドランクドラゴンのおふたりも大笑い。

 「いや、緊張してるんですよ。あのねぇ、お笑い芸人の方をお迎えするのは初めてなんですよ」
 塚・鈴「あーそうなんですか、ありがとうございます!」
 「ちゃんと、改めてお名前を紹介させていただきます。ドランク、(ためらいのほんのちょっとの間)ドラゴンの、おふたりです!」
 塚「どうも〜、"ドラゴンドラゴン"でーす!」
 鈴「あは、違いますっ、"ドランクドラゴン"でーす。よろしくお願いします」
「すいませ〜ん(笑)」とぺこぺこする相沢。
 鈴「ホントに頼んますよ〜(笑)」
 「よろしくお願いします、こんなパーソナリティーですけど」
 鈴「いやいやいや、とんでもない」
 塚「いやこっちも緊張がほぐれました、おかげで。よかった〜(笑)」
 「ドランクドラゴンの、塚地さんと鈴木さんです」
 鈴「こっちの鼻声のほうが鈴木です」
 塚「はい、こっちの鼻声の方が塚地です」
 鈴「そっちは鼻声じゃねーだろーよー」
 すかさずボケとツッコミの見事なコンビネーションを見せ付けられ、相沢は無邪気に「あはは(笑)、さすが。すごい。面白いぞ〜」
 塚「いや、今一番笑いとってるのは相沢さん!」、
 鈴「そうですね」
 塚「ちょっと取り返さなね、俺ら」

 「(笑ったまま)私とおふたりの出会いといえば、『いつもふたりで』というドラマに出演していただいたことなんですけども、その節はどうもありがとうございました」
 鈴「いやいや、ほんとにありがとうございました」
 塚「お前、関係ないじゃないか」
 鈴「関係なくないよ、8秒も出たじゃん俺、合計で」
 「あれは9話でしたよね、長谷川京子ちゃんにインタビューする・・・」
 塚「絶対ピンとこないですよ、リスナーの方。あははは(笑)」
 「そんなことない。わかったと思いますよ、多分」
 鈴「まじっすかぁ?(嬉しそうに)ちゃんと名前は付いてなかったけど、記者の人で出てましたからね!」

 「あのー、そもそも私は『はねるのトびら』が好きだったんですけども、それ以前に、ドランクドラゴンが好きだったんですよ」
 鈴「おっ!珍しいですねぇ」
 塚「ありがとうございます。大体俺らのファンは男ばっかですからね」
 「あ、私も男の子の友達に教えてもらいました。おもしろいんだよ〜って聞いて、NHKかなんかで見て、あ、この人たちだ〜って思って。その時(この人たち)可笑しいって思っていたんですよ。で、今回のドラマのプロデューサーにドランクドラゴンって面白いよねって話をしたら、はねるのトびらのDVDを貸してくれて、ハマってしまって。ドラマの中に誰か新しい方を…ということで、今回は塚地さんにお願いしたわけなんですけれども…」
 塚「はー、本当にもう、ありがとうございました。おかげで知名度が上がりまして(笑)。やっぱりすごいですよ。遠足をしている小学生とすれ違った時に、『あ、ホッシーだ、ホッシーだ』って言われましたからね」
 鈴「びっくりしましたね」
 塚「小学生に(自分の名前などを)言われることって あんまりないっすからね、お笑いで」
 「あー、なんか子供って、(役柄の)その人が本当にいるって思うみたいだから。坂口くんも、子供に『ハチ!ハチ!』って言われた時は嬉しかったって言ってましたよ。なんか、子供に言われるのって嬉しいみたいですね」

 「(ドラマの中では)ホッシーとナガナガという愛称で、大人気だったんですけれども、ドラマは初めてだったんですか?」
 塚「何度か、ワンシーンだけとか出させていただいたりはしてたんですけど、こうやってレギュラーで毎週っていうのは初めてだったので、緊張しましたね〜」
 「6話とかは、かなり(塚地さんが)フューチャーされた回だったと思うんですが」
 塚「そうですね。絶対冗談やと思ってたんですよ。6話はちょっと中心になるかも知れないよって中江監督とかに言われた時も」
 「あ、そうなんですか?でも私は最初から、どこかでメインに持っていきますからって話をしてて」
 塚「まじですかぁ。びっくりしましたね、どうしたらいいものか。はねる(のトびら)でやってるコントのキャラクターに近い感じでってことで、最初は自分らの中でも、オタクな感じに作っていたんですけど。あのー、基本的にはねる(のトびら)の中のふたりっていうのは、あまり人と話さないんで(笑)、松さんとかが演技されている後ろで、傍目から見て騒いでるっていう感じで作りこんでいたら、やってるうちにどんどんどんどん絡み始めて…頑張ったりしちゃうからぁ」
 「あははは」思わず笑う相沢。
 塚「口調とかも変えたりしてたんで。いいこととか言わなきゃいけないのに、あのまんまのキャラじゃちょっとしんどいなとかね。ふたりでしまったなあ、間違えたなあって」

 「鈴木さんは、最初見たとき、どう思いました?」
 鈴「そうですね、最初見たときは、あ〜はねるのキャラクターのまま出てるから、
これはすごいなぁって思ってたんですけど、そのうち段々ふたりともテンションが真
面目になってくるんで…」
 塚「(ホッシーは)がんばりますからねぇ」
 「あははははは、すいませんねぇ(笑)」
 塚「いいえ、とんでもないっすよ。楽しい部分ができたというか、キャラを活かしつつドラマに絡んでいくみたいなことを、ふたりでちょっと頑張らねば…という感じで…」
 「でも私の中では、あんまりキャラ自体は壊れたっていう感じはしなかったですけどね。自然に変わっていった…って感じで。あ、アドリブもね、結構…」
 塚「あーそうですね。基本的に使われない部分がほとんどだったんですけどね(笑)。楓書房の歌とかいうのも、延々2分3分歌ったりしてたんですけど、全部カットされてて…」
 鈴「そうなの?」
 「あれは、秋山さんと考えたんですか?ふたりで」
 塚「そうですね。一応監督からこの場面はこういうのがあるから、ケツのフリー部分はふたりで遊んでくれと渡されるんですよ。そうすると、ええーって(笑)。そんな台本にも無いことを、リハの時に言われて、本番までちょっとしか時間が無いんですよ。その間にふたりでどうする?どうする?って打ち合わせてネタ作って…って感じでやってましたね」
 「へー(笑)。だから私も放送がある意味楽しみだったんですよね。自分が書いてない部分で、どう来てくれるんだろうって(笑)。でもドラマって時間制限があって、台本でもカットされることもあるから難しいとは思うんですよね。でもそう言うところで一瞬でもいい味をだしてくれたなあって…」
 塚「ほんとにね〜、もう悩みましたけど、楽しくやらせていただきましたね」
 「ホントにありがとうございました」
 鈴「じゃ次回は、僕を主役に…」
 塚「主役ぅ?数字取れへんやん。」
 「ははは(笑)!ぜひふたりでね、何かやっていただけたらと思うんですが…」
 鈴「あ、そうですねぇ…」
 塚「や、僕は別にひとりのまんまでも構いませんので…」
 鈴「おいおいおいおい!最低だなぁ、おい!」  

と、そのやりとりはまだまだ続きそうなので、ここで1曲挟んでみたものの、オフマイクでも随分と盛り上っていたようだった。いつものブースがテレビの画面のよう・・・。

 曲が終わり、再びゲスト紹介をする相沢。
 塚「今度はちゃんと言ってくれましたね」
 鈴「一瞬、僕らの名前を言う時に、間がありましたよね。今度は間違えないようにっていう意気込みが感じられましたね〜(笑)」
 このふたりの言葉から、その際の相沢の緊張っぷりが伺えると思う。
 「失礼があってはと思って…既にあったんですけどね(笑)」
 塚「ど頭でしたからね(笑)」

 ここで、この4月からレギュラー復活した『はねるのトびら』についての話題に。
 「嬉しいですよ!おめでとうございます!」
 塚「いやいやいや〜。ほんま、『いつもふたりで』のおかげですよ。ほんとに」
 「なんか、収録がすごいハードだと聞いたんですけど・・・」
 鈴「ハードですよー」
 塚「大体各週で撮るんですけどぉ、金曜日の昼1時くらいに集まって、そこから台本の読みあわせとか打ち合わせとか始まって、リハーサルがあって、次の朝の7時まで、ずーっとですね」
 「え、一晩中ですか?」
 塚「一晩中ですね。それで次の日、土曜日の朝の7時30分から収録で、そっから夜の12時までずーっと収録なんですよ。30分しか空きがないんですよ」
 「えー?!それ空きっていうのかなあ(笑)」
 塚「自分らが出ない他の人のコントのときも、観て盛り上げたりとかするんですよ」
 鈴「だからみんな2日間寝てないですよ。みんなヘロヘロになって」
 塚「で、夜の12時くらいに収録が終わるんですけど、それからみんなで反省会と打ち上げみたいな感じで、次の日の朝までなんで、全員…」
 鈴「もうー塚っちゃんなんか年なんで、肌なんかガサガサですよ。みられたもんじゃないですよ(笑)」

 「あはは。オイルは塗らないんですか(笑)」と相沢が言うと 、
 塚「あ、オイル(笑)。あのオイルのおかげでね、大分良くなったんですけどね」
 「あれやっぱりリスナーからも、あの顔のテカリは何か塗ってるんでしょうかっていう質問がたくさん来てたんですけど」
 塚「うちの親からも電話がかかってきて。あれ、ベビーオイルを塗ってたんですけど、それを知らないみたいで、あの汗の量は病気や!って言って、薬とか色々送ってきたりして」
 鈴「親が心配してくれてね(笑)」
 「あれはもう、出番前に塗っておくんですか?」
 塚「はい。みんな普通メイクさんとかは、(皮脂を)抑えに来るじゃないですか。でも僕の場合は(オイルを)塗りに来るんで(笑)今日は足りないとか言って、びっちょびちょにされて目の中に入ったりとかね・・・(笑)」
 「昔、安いオイルを塗って、肌が荒れちゃったっていう話を聞いたんですけど」
 塚「そうなんですよ。ドウランの上からしみこんでくる感じで、それを取ったら肌がひどいことになっていて…」
 鈴「そうですね、ヘビの脱皮みたいな肌になっていて、顔が。ま、僕はヒトゴトでしたから笑ってましたけどね(笑)」

 「おふたりは 結成されてもうどれぐらいなんですか?」
 塚・鈴「7年・・・ですね」
 「きっかけなんていうのは、どんな感じだったんですか?」
 塚「まーもともと、今の事務所の人力舎っていうところの養成所におのおのが入ってきて…はい」
 「あ、そこで、お互いにコイツいいな〜みたいな感じがあったんですか?」
 塚「なんかね、養成所に入ると、みんな18・9歳の子が入ってくるので、結構授業中もハイハイ!と誰もがボケようとしてすごいんですよ。でも、彼(鈴木)だけは後ろの方で一歩引いた感じで、なんか皆が言う事を鼻で笑ってる感じだったんですよ。で、そういう人って結構面白かったりするので、あ、コイツは才能がある人なんや!って思って、僕から声をかけたんですけど…」
 鈴「そうそう」
 塚「でも結局、前に出られないだけの(笑)ヤツで」
 鈴「ゆーなっつうの」
 塚「鼻で笑ってたのも、ほんとに可笑しくて笑ってたみたいで」
 「でも独特のキャラですよね、鈴木さんてー」
 鈴「あ、そうですか?」
 「なんか、ズルイ感じがしますよね」
 鈴「ずるいってどういうことですかぁ!!」
 「や、なんていうか居るだけで可笑しいっていうかぁ」
 塚「ほんと天然で。プライベートとかでも、ふたりでネタを考えにファーストフードとかに行くんですけど、こちらでお召し上がりになりますか?お持ち帰りになりますか?って聞かれて、どっちでもいいです!って答えたり」
 鈴「はあ。迷っちゃったあげくに、向こうに任せればいいかなと思っちゃうんですよね」
 「・・・おかしい(笑)。ファーストフードとかでネタあわせしたりするんですか」
 塚「いや、あわせるというよりも、ひたすら僕が書いてて、彼はボーっとしているっていう感じで…」
 鈴「早く終わんないかなあ、と思って」
 塚「あはは。これがうちのスタイルなんです」

 「塚地さんがネタとか拾ってきて、構成するんですか?どんな時に思いついたりするんですか?」
 塚「基本ですね、最初の内はギャグ中心で作ってたんですよ。ボケて突っ込んでボケて突っ込んでっていうのをしてたんですけど、あるときに、キャラコントっていうか、あるキャラになりきって(塚地さんがアイドルおたく、鈴木がレポーター)っていうのをやってみたんですけど、ギャグだけでやっていた時と違う反応があったんです。ギャグだと瞬間笑って、次に黙ってまた笑ってって感じで。でもキャラコントだと、ずっとクスクスクスクス笑ってるんですよ。それで面白いなと思って。それから街中で見かけたちょっと変わった人とか面白い人をやるようになったんですよね」
 「そのキャラコントが、今や売りになってますもんね」
 鈴「始めの頃は台本をもらったて見ただけで、面白いコントかどうかすぐにわかったんですよね。でも今はキャラクターコントなんで、台本を読んだだけじゃわかんなかったですよ。塚っちゃんがそれを演じてみて初めて、あ、そういうことなんだって」
 「それは面白いですね。でも、ホントに人を観察する目とか、洞察力とかってすごいなって思いますよ。他の人だったらパッと流してしまうような、ちょっとした人間の、誰もがやるような仕草とか、口走ることとかを拾ってるから、ほんとに居るよ、こういう人!って、すごい思いますもんね。そこがドランクドラゴンだったり、はねとびの色っていうか、人気の秘密なのかなって思ったりしますけどねぇ」

 ここで、ミスター・チルドレンの「星になれたら」を聴く。 これは塚地さんのリクエスト曲で、大学時代によく聴いていたという1曲。
 お笑いを始めるので、東京に出て行くことになった自分と、この曲の中の歌詞、
『この街を出て行くことに決めたのは、いつか君と話した夢の続きを叶えたいから…』
という部分を重ねていたというエピソードがこぼれる。

 鈴「それ、本当に勝手にダブらせてるよね。(ミスチルの)桜井さんとは塚ちゃんダブらないのにね」
 塚「(しみじみ)俺の歌や〜って思ってねぇ」
 鈴「いや、勝手に決めんなよ、みんなの歌だから!(笑)」
 塚「あと歌詞の中に、『長く助走を取ったほうが、より遠くに飛べると聞いた』っていうのがあるんですけど、僕24から(お笑いを)始めたんで、それまで引っぱっていた分、勝手にかぶらしてですね…」
 「ああ、今までが助走だったんだって(笑)」
 塚「あ〜、俺の歌やぁってねぇ」
 鈴「だから勝手にかぶらすなって!(笑)」
 「初心に帰るって感じですね、この曲を聴くと」
 塚「そうですね、これを聴くと思い出しますね、やろうとしていたことを」
 「鈴木さんは、どういう音楽が好きですか?」
 鈴「えー、僕は・・・」
 塚「こいつはね、聴かないんですよ!まったく(笑)」
 鈴「あはは(笑)、すいません、聴かないんですよ、音楽とか」
 「あ、そうなんですかあ」
 鈴「でもそう言っちゃうと、身も蓋もないというか(笑)…あえて言うならサザンオールスターズとか、最近は槙原敬之さんとかもすごい好きですね。詞がね、よくてね・・・(笑い顔)」
 「(その様子を見て笑いながら)・・・なんか顔がね、突っ込んで欲しそうな感じなんだけど、塚地さん突っ込まないのかなと思って…」
 塚「いや、ほったらかしますよ。どんどん追い詰めたりますよ。それで?それで?」
 鈴「それで?って・・・そんな追い詰めんなよ俺を!(笑)」

 「そんな鈴木さんが、と、ここで私が助けます」
 鈴「あ、すいません」
 塚「相沢さんに助けてもろうて、お前〜」
 鈴「あーあぶね、もうちょっとで辞めるところだった俺、この業界を(笑)」
 「そんな鈴木さんが選んできてくださったのは、スナッパーズの『大迷惑』という曲だったんですけど、これは縁のある曲なんですよね?」
 鈴「これはね〜、僕っていうか、塚っちゃんっていうか、僕らふたりに縁がある曲でして」
 塚「そうなんですよ。プロモーションビデオとCDのジャケットをやらしていただいて」
 「偶然私、ビデオを見たんですよ。ああーって思って、びっくりしました」
 鈴「ですよね〜」
 塚「僕らもびっくりしましたからね(笑)」
 鈴「スナッパーズさんよりも、うちらの方がほとんど多いような感じで…(笑)」
 塚「CDジャケットなんか、僕らふたりしか写ってないですからね。僕らが歌出したんちゃうかなって…」

 そうなったいきさつを、相沢が聞くと・・・
 塚「もともとはですね、音楽誌の編集者の方がファンだということで、ドランクドラゴンとしてというよりは、僕ひとりで、ぜひインタビューさせて欲しいということになりまして」
 鈴「なんかね、マネージャーが言うには、ドランクドラゴンはふたりでやってますんで、なんとか鈴木の方も…って言ったらしいんですけど、それでも編集者の方は塚地さんだけでって言ったんで、(ふたりでも)ギャラは変わらないんでぜひ…って言っても、いや 塚地さんひとりでお願いしますって言われたんだと…」
 「…なんて言っていいのか…(笑)」
 鈴「すいません!あの、仕事待ってますんで、送ってください!」
 塚「それで、ま、僕ひとりでという事で、快く引き受けまして・・・」
 鈴「快くなんですよっ!ほんとにもー(笑)」
 塚「で、スナッパーズの方々も僕のことを好き…ということで、その取材の時にカメラマンとして付いてきたという…。使い捨てカメラで取材の写真を撮ってくださっていて。変な感じやなあ…と思ってたんですが、次のCDで…という話があったんですよ。それで、そのジャケット撮影は2月の半ばの無茶無茶寒い時のロケで、僕はプロレスラーの格好だったんで、上半身裸やったんですよ。もう凍えて凍えて…」
 鈴「僕は、あのー、その撮影で生魚を持つんですけど、それがねー、リアリティを求めるために、ちゃんと内臓とか何から入った本物の魚なんですよ。本物のカンパチを持ってこられまして。もう3日くらいその臭いが取れなかったですよ、お風呂に入っても(笑)」
 塚「一日その魚で撮影しているんで、撮影するうちにどんどん腐ってきて…悪臭を放つわけですよ。鈴木の悪臭と相まって…」
 鈴「だから、ねーよ!俺には悪臭なんて、ひどいなあ。それからずっと鈴木さん臭い、鈴木さん臭いって、臭いのレッテルを貼られましたからね」
 塚「鈴木の臭いなのか、魚の臭いなのかわからなくなってね…」
 鈴「魚だよ!!なんで俺、生臭い臭いするんだよ!」

 塚地さんの寒さと。鈴木さんの生臭さと。そしてスナッパーズとの出会いと。 不思議なつながりで生まれた、スナッパーズの曲が流れた。

 最後に、番組内のテーマのひとつ『ウソのようなホントの話』について聞いた。
 鈴「あの僕、よく釣りをね、御存知の通りやるんですけど」
 塚「お前そんなに知名度ないがな!」
 「あはは、趣味なんですか?」
 鈴「そうなんです、僕、釣りが趣味でね、夜釣りをやってたんですけど、途中ヤブコギって言って藪の中を掻き分けて行くんですけど、道に迷っちゃってね、どうしようかな〜って思っていたら、遠くの方にぽーっと明かりが見えたんですよ。調度、自転車のライトくらいな感じの光で。なんだろうと思っているうちに、なんだか知らないけどその光を僕は追いかけちゃったんですよ。ところが、ある木の下で、光がパッと消えちゃったんですよ。ほんで、その木の下から上を見たら、木の上に毛むくじゃらのおじさんが、あぐらをかいてたんですよ。で、なんだろうなと思ったんですが、直感で神様だ!って思ったんですよ、ホントに!!」
 そこで、微妙な沈黙が訪れる。
 塚「うふっ、なにも、ウソやとは思ってないよ」
 鈴「あ、なんかすげー、なんかふたりともウソつけよ!って顔してる…」
 「あはははは(笑)」
 塚「大丈夫、大丈夫。だってウソみたいな話やもん、しゃーないやん(笑)」
 鈴「でね、神様が木の上にあぐらをかいて座ってたの。わーすごいなあと思って、俺拝んで、一礼して、そっからはけてったのね」
 「はけてって…(笑)」
 塚「お前、ステージに居たの?」
 鈴「ステージじゃない!ステージじゃない!んで、あくる日になって…(必至な感じ)」
 塚「(必至な感じを笑いつつ)お前、何で俺の方ばっか見て話すねん」
 鈴「次の日の昼間になって、よくよく地元の人に聞いてみると、そこは崖で、人が歩けるような道なんか一切ないの。自転車みたいな光のことも、わかんないと。で、俺が木の上の神様の話をしたんだけど、全然信じてくれなかったのね。でも昔からそこにはそういう神様が居て、その神様を見ると、運勢が良くなるって言われてるんだって。それでね、そう言われてから、僕は『はねるのトびら』のレギュラー化が決まったんですよ」

 話にいきなりオチがつき、「ほほぉ〜」と相沢。
 鈴「幻覚でもなんでもないよ。ちょっと俺をやばい人とか思ってるかもしれないけど、ほんとに、ほんとに!見たんだから」
 「あはは。じゃあ怖いものじゃなかったんですね」
 鈴「そう。怖いものじゃなくて、すごく神聖な気持ちになったんですよ、その時。だから神様に会った時、一礼したら、神様も一礼してくれた」
 塚「あ、どーもって?」
 鈴「そう、会釈っていうかね。…って本当に見たんだって。一礼まではウソだけど(笑)」
 「でもそれで本当に運勢があがったっていうことですよね」
 鈴「そう、それからもうトントン拍子で…」
 塚「でもお前ひとりの力じゃないんやから」
 鈴「そう!全部塚っちゃんのおかげなんですけど(笑)」

 続いて、塚地さんの話になる。塚地さんは結構霊体験をするということで、金縛りなんかもしょっちゅう会うんだそう。

 塚「一番凄かったのが、知り合いの作家さんの家に泊まりに行ったんですよ。それで夜飲みながら、雑魚寝みたいな感じで布団とか敷かずに寝てたんですよ。寝てたら、おいっ、おいって呼ばれて、なんやろと思ってぱっと見たら、作家さんは寝てるんですよ。で、立ち上がろうとしたらもう全然動けなくて、力一杯込めて首だけ振り返ったら、そこにおじいちゃんがいるんですね」
 鈴「おじいちゃん?!」
 塚「うん、おじいちゃん。日焼け、してるんですよ」
 「ええーっ」
 鈴「えらい健康的やなぁ(笑)」
 「これ怖いの?面白いの、この話は?」
 塚「で、日焼けしたおじいちゃんが、どけっ、どけって言うんですよ。ここは俺の場所だ、どけって言うんですよ」
 鈴「うわーっ」
 「いやー、こわっ」
 塚「で、ううう、こわーってなって、でも体が全然動かないんすよ。でもどけって言われてるよどうしようと思ってたら、そのうちおじいちゃんが、疲れてるみたいだから今日はもういいよ、って…」
 鈴「どはは、やさしいなあ、じいちゃん」
 「ちょっと待って!それ、神様に一礼したのと同じ(でつくってるん)じゃないの?」
 塚「いや、全然違いますよ。ホントに消えていったんですよ。だから、えー人やったんやなーと思って」
 「意外にもふたり揃って怖い話で来たなと思ったけど、結局は面白い話になっていて、すごいなーと、素直に思います…(笑)」
 塚「いや、ほんとの話ですって」
 鈴「ちょっと相沢さん、フォローしてくれる立場じゃなくて、どんどん陥れてますよ、僕らを」
 塚「どうでしたか、僕たちのネタは」
 鈴「ネタかいっ!ほんとのことっすからね!」
 そんなふたりに、相沢はひとこと「まあまあ面白かったです(笑)」とコメント。
 ふたりとも「ほんとのことですから!」と強調していたものの、本当にどこまでが本当なのかは今でも疑問だったりする。

− ON AIR LIST −

1 豆電球/レミオロメン
2 ドア/ゆらゆら帝国
3 星になれたら/Mr.Children
4 大迷惑/Snappers
5 僕のせいじゃない/相沢友子

  笑わせたり、泣かせたり、怒らせたり、びっくりさせたり、感動させたり…。 人の心がどれだけ動くかは、人の心に働きかけるパワーに比例するように思える。 つまり、「並」の働きかけであれば、「並」の笑いであったり、泣きであったりするのだ。
 お笑い芸人さんは、感情のクリエイター、心のデザイナーかもしれない。 世の中には、面白いことがたくさんあるのに、それを見逃してしまったり、単純に気付いていなかったりする。 そういうものを、全て一度拾い集めて色々な角度から見つめてみる気持ち、これがどれだけ大切なことなのか、改めて強く感じた。

<うさぎのちょっとひとりごと>
 ・・・ぷぷぷ。・・・くくくっ。もう〜可笑し過ぎですぅ。毎回ゲストの方々のお話 は「楽しい」のですが、ドランクドラゴンのおふたりの場合は、また違った意味で 「楽しい」お話でした。それにしても、お笑い芸人さんて…ほんとに…まじで…とて も…おもしろーい!!
スーパーマイルドのCMも再現してくださって、感激しちゃいました。