REPORT 8 |
2002.05.24.Fri |
新緑も眩しく、時折日差しに夏を感じさせる5月のゲストは、(株)ディスクガレージ代表取締役社長の中西健夫さん。
相沢とは公私共に親交が深い方なのだが、こうしてゲストとして相沢に招かれるのは初めてのこと。本業にも、副業にもお忙しい中、笑顔でスタジオに登場されました。 |
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相沢が台本に書いてある通りに「それでは、ゲストの(株)ディスクガレージ取締役社長の中西健夫さんです!」と(少々笑いを含みながら)紹介するやいなや、「ねぇ、ちょっと株式会社とか取締役とか、そういうのやめません?やだやだ。ただの中西です」と中西さん。
「ははは、なんか おかしいですよねー」こらえていた笑いを吐き出すかのように答える相沢を見れば、いかに中西さんという存在が相沢と近い距離にあるかが伺える。 ディスクガレージといえばコンサートをプロモーションしたり主催したりする会社で、もちろんこれが中西さんの本業なんですが、副業もたくさん抱えていらっしゃる。 |
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その中のひとつがラジオパーソナリティー。今年の3月までおよそ3年間「オールナイトニッポンR」でしゃべり倒していたおかげで、番組が終了してからというもの、夜中になると独りしゃべりをしてしまうというエピソードが飛び出した。 それには「独りでしゃべってるんだぁ?!」と相沢も笑わずにはいられない。 「でも確かに1週間に1度、自分が日々考えていることや、この1週間で考えたことをラジオで話すことは、無意識に自分にとっても整理になっていますよね」 「そうそう、それで発散してリフレッシュして、また新しい1週間を頑張れるっていうかね」 どうやらふたりにとってラジオで話すということは、ある意味でフラストレーションの発散の場となっているようである。 この番組が放送された5月24日は、まさに中西さんがプロデュースしたショートストーリーを集めたDVD『LOVE&PEACE』の発売日。全6作品のうち、2作品の脚本を相沢が書き、乙葉さんや宇都宮隆さん、SHIHOさんらが出演する他、ナレーションが西村雅彦さんという多種多様な方々が参加した作品集である。 「一瞬だけ真面目な話をすると・・・」と中西さんは語り始めた。 去年の9月、ちょうどアメリカ同時多発テロ事件があった時に、中西さんは仕事でハワイにいた。ハワイもアメリカ。それゆえにお店が閉まったり、あからさまに様々なことが起こる中で、なんて日本は平和なんだろうと感じたのだそう。 「明日食べていけるかどうかを悩むのではなく、仕事や恋のことで悩んだりしている、平和ボケしてしまった自分達に対して、何かしなければいけないと思った。でもなんかこう大仰に構えて"そんな時 どうするんだ日本は!"というのではなく、今の状況を幸せに感じていない日本の状態を、色々な切り口から見てもらい、感じとってもらいたいって思ったんですよね」 「私も、中西さんからそういうテーマを投げかけられて、自分なりのラブ&ピースを提示してみたら、やっぱり(他の作家の人も含めて)統一感があったというか、本当に日常にあるありふれた幸せとか感謝の気持ちとか、そういうそれこそが本当の平和なんだというところでまとまったなという気がしました。もっと違う切り口が集まるかなと思ったんですけど、最終的に中西さんの周りに集まっている人達らしい答えが詰まった暖かい作品になったなという感じがしましたね」と相沢も熱く語る。 「例えばひとつでいうと"ありがとう"っていう言葉を言わなくなったんだろうな、とかね。言われたらすごく嬉しい言葉のくせに言わないとか、全てにおいてあたり前だと思って感じられなくなっている状態をどう思うかなと思ってね。大げさに絶対にテロ反対!というのではなく、ささやかな中に幸せがあるということを感じてもらえるようにすることが大切なんだと思ったんですよね。・・・は、真面目な話をしちゃいましたねぇ」と、中西さんは少しテレを隠しているようにも見えました。 |
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※ 中西さんプロデュースのDVD『LOVE&PEACE』、購入方法など詳しい情報は
www.e-love-peace.comをご覧下さい。 |
そして後半は、根が真面目と言い張る(?)中西さんの素顔に迫るひとときとなった。 とにかくドラマが大好きで、DVDに録画しては真夜中に必ず見ているほど。 「だって見ないと気になって眠れないんだもん」というひとことには相沢も爆笑。でも、ドラマを作る側として楽しいと思ったきっかけは、TVKで放送された5分間のミニドラマで、それは中西さんと相沢の最初のコラボレーション作品でもあった。 「あの時は、私もやるやるぅ、書く書くぅ、出る出るぅ・・・っていうノリで、なんか愉しかったですよね」 「あの頃から、人生が変わり始めちゃったんだよなー」 あれがドラマを作る側としての原点だったんだと、改めて確かめ合ったふたりは、とてもいい笑顔をしていた。 続いて、お便りテーマのひとつである「人に言えない私の秘密」に関して、中西さんの面白い秘密が語られた。 「夜ね、寝る前にすごくいろいろなことを考えるんですよ、恥ずかしいくらい。もし自分が、W杯の23人に選ばれていたら・・・」と、そこまで話したあたりで、「あはははは」と 相沢の大きな笑い声。 「ちょっとそれわかる!もしも・・・っていうあれでしょ?すごく細かい設定や、そこで交わすセリフとかまで考えちゃうんでしょ?それ、すごくわかりますよー」と、突然中西さんのトークに拍車がかかり出す。目も輝いている。 「トルシエに、行け!ってこう、肩を叩かれて出て行くわけよ。でも観客は俺のことを誰も知らない。で、あれは誰だ誰だってざわざわしているうちに、俺がパーッとフリーキックを決めちゃうわけ。で、次の日の新聞は一面のトップ!みたいな・・・でさ、インタビューはどうしよっかなーとかさぁ・・・」 中西さんの話は、永遠に続きそうな勢いだった(笑)。 そして中西さんのリクエスト曲、1曲目は小田和正の「Woh Woh」。相沢友子さんといえば小田さんの『キラキラ』、そして小田さんの曲の中では、これが超お気に入りの1曲なんだとか。 そして曲を聴いた中西さんは、「♪不思議だね〜って、歌わなくてもいいんだけど(笑)。この曲を聴くと、素晴らしい偶然が恋を作って愛になって、そして別れがある・・・ってそういうことが繰り返されていくんだなって思うんだよね」としみじみ。 「恋をした人なら絶対に理解できることを、とてもシンプルに歌った歌ですよね」と、相沢もしみじみ。そんなイイ雰囲気の中、いきなり中西さんのひとことが飛び出す。 「だから合コン反対派!・・・ま、合コンはよくやってますけど(笑)」 2曲目のリクエストはMr.Childrenの『ファスナー』。歌詞だけ読んでいても一冊の本を読んでいるみたいなアルバム、「桜井(和寿)くんは確信犯だ」と絶賛でした。 中西さんの音楽の楽しみ方の一つに、1ヶ月間、ひとりのアーティストだけをとことん聞きまくるという方法があり、4月のアーティストはミスチルだったんだとか。(ちなみに1月は尾崎豊、2月はREBECCA、3月はユニコーンだったらしい) 相沢は、そんな中西さんの(社長になられても昔と変わらない)音楽との付き合い方に素直に感心していた。 「・・・真面目になったり不真面目になったりで、どうもすみませんでした。」 「なんだかわからないシメになってしまいましたが(笑)、最後に、私のことをずっと見てきている中西さんなんで、1曲私の曲を選んでいただきたいと思うんですが」 ということで、中西さんは『廃品置場で会おう』をリクエスト。更に、「相沢さん の曲紹介でお願いします。なんか今日はそれで聴きたいんです」というお願いの仕方 にも、中西さんの人柄が感じられた。 コンサートのイベンターとして働きながらもラジオで語っていた中西青年と、その番組の中で熱心にライブレポートする女子高生が出会ってから、長い月日が過ぎた。 音楽をこよなく愛した中西青年は、その会社の社長になり、ルーズリーフに言葉を書き溜め、自己表現の方法を模索していた女子高校生の相沢友子は脚本家になった。 10年以上もの長い付き合いの中で築き上げた信頼は、今また一つの作品『LOVE&PEACE』として多くの人々の心を動かすに違いない。 |
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− ON
AIR LIST − 1 You've Got A Friend/原田知世 2 ミラージュ/Going Under Glound 3 アシンメトリー/スガシカオ 4 Woh Woh/小田和正 5 ファスナー/Mr.Children 6 廃品置場で会おう/相沢友子 |
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<うさぎのちょっとひとりごと> |
「恋愛相談、だいすきっ!」「漢字大好き」「も〜今回のミスチルは最高だね」と、
自分の嗜好をしっかりと口に出す中西さんは、子供にも見えるし大人にも見え、何が生まれてくるかわからない不思議なタマゴみたいな方でした。 この先、不思議な中西タマゴから、一体何が生まれてくるのでしょうか、お楽しみ。 1ヶ月のお休みから、先日復帰しました。この番組の現場、暖かくって笑いの絶え ない家族みたいな居心地のいい場所であることを改めて実感。 お留守の間ありがとね、妹うさぎちゃん。たまには遊びに来てね。 |