ゆれる
- 2006/08/10

オダギリジョーと香川照之が複雑な兄弟関係を演じる悲しい映画。
このところ邦画をよく観てるけど、中でもこれは特に好きだった。
男兄弟の話ってどうも私の琴線に触れるらしい。
吊り橋の上で、兄が好意を抱いている女性から
「触らないでよ!」と叫ばれる場面で、どうしようもなく胸が傷んだ。
あんなふうに叫んでしまう方の気持ちも、
叫ばれた方の気持ちも、どちらも分かる気がして泣きそうになった。
私は東京で生まれ育ったから、
彼らの憤りとかやりきれなさといったものを
本当の意味では理解できていないと思う。
でも、あそこまで感情移入してしまったのは、
そこで描かれている愛憎があまりにリアルだったからだし、
それが自分の中にも眠っている普遍的な感情だからなんじゃないかと思う。
兄弟だから、家族だから、血がつながっているからこそ、
感情がこじれると根深いんだろうなぁ・・・としみじみ考えつつ、
それでも人間ってたくましい、愛しい生き物だな、と感じる不思議な作品。
まだ余韻が残ってます。