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You Are The Top

  • 2002/03/31

つい先日、引っ越しをした。
引っ越し経験はほとんどないと言っていい私にとっては、
かなりの一大イベントだった。

まずは、物件探し・・・
最初は条件を絞りこめずに頭がパンク状態。
どうにかエリアを限定して不動産屋に足を運ぶが、
どの部屋も一長一短という感じで。
「やっぱ何かしら妥協点は必要なのかなぁ。
最後は"まぁいいか"で決めるしかないのか?」と考え始めた矢先。
訪れましたよ、出会いが!
正直言って不動産屋さんから話を聞いた時にはあまり興味が持てなかった
んだけど(思い描いていた条件と大きく違っていたので)、
見るだけ見てみるかと行ってみたら、部屋に入った瞬間ピンと来た。
「あ、ここなら気持ちよく暮らせそう~」って。
とにかく陽当たりと窓から見える景色が最高。
風通しもよすぎるくらいだし、
周囲も閑静な住宅街なのでゴミゴミしてないし。
よくペットを買う時に「私に買ってって言ってる気がした」って言う人が
いるけど、部屋が「ここにおいで」って言ってるような(笑)、
いや、違うな・・・「やっと来たね、待ってたよ」って言ってるような、
そんな気がした。結局こういうのも頭で考える条件より、
身体で感じる"何か"が決め手になるんだな~。

そして、引っ越し当日・・・
朝から雨。次の日もまた雨。
ようやくひと心地ついたかなーって頃に雨が上がった(笑)。
私が強力な雨オンナだということは知ってる人は知ってる事実ですが、
(昔はライブのたびに大雨振らせてたもんね)
さすがに手伝いに来た友だちにも「いい加減にしてよ」と呆れられました。
おまけに注文した家具の配送が混雑のため引っ越しまでに間に合わず、
しばらくはダンボールの山の中での生活。
「季節も曜日もお構いなしの仕事のクセに、
何でよりによって引っ越しシーズンに引っ越しすんのかなぁ」との嫌味も。
確かにそれはそうなんだけど。
でもさ、こういうのって「したい!」と思った時にしないと気が済まない
んだよね。「髪切りたい」って思ったら即切らずにはいられないのと
同じでさ(私だけ?)。
ちょうど「恋チカ」も終わって時間が空いたし、区切りがよかったのよ。
そんなわけで数日遅れて新しい机や椅子たちが到着し、
晴れて今、PCに向かっているという感じです。

バタバタした状況の中でもあちこち出かけてはいたんだけど・・・
そうそう、三谷幸喜さんのお芝居「You Are The Top」を観てきました。
いや~、素晴らしかったです。ホントに。
笑って、泣いて、また笑って・・・あっという間に終わってしまった。
もっとずっと観ていたかった。
内容は、かつて一時代を築いた作詞家と作曲家のコンビが久しぶりに
再会し、ふたりが愛して止まなかったひとりの女性シンガーのために
追悼の曲を創る、というもの。
基本はコメディーなんだけど、三人の恋模様、男同士の友情、
アーティストの苦悩などが描かれていて、何だか胸が痛い。
考えさせられるところも多かった。

私は昔からとにかくお芝居が好きで、
東京サンシャインボーイズにもハマっていました。
最初に観た時はまだ三百人くらいしか入らない小さな劇場で、
靴を脱いでいわゆる"桟敷"で膝を抱えて観たような・・・
そのうちあっという間に「チケットが取れない」人気劇団になり、解散。
もちろんサンシャインボーイズ以外の劇団もいっぱいいっぱい
観に行ってたけど、ちょうどその頃から舞台から足が遠のいてしまった。
だから三谷作品に触れたのは何年かぶりって感じだったんだけど、
変わらぬ魅力と輝きにドキドキしました。
素直に「やっぱいいなぁ、すごいなぁ」と力一杯拍手をして、
そういう拍手ができることの気持ちよさみたいなのを思い出した。

考えてみれば、私はテレビというものをほとんど観ない。
脚本の仕事をしていると、周囲の人たちがいかに
テレビ好き・ドラマ好きであるかを実感させられる場面が多い。
その話についていけない自分に「何で脚本書いてんのかなー」と
(別に深刻ではなく)疑問を感じていたりもしたけど、
「恋ノチカラ」を書いていて、ふと思ったんだよね。
「ああ、私のルーツってお芝居なんだな」って。
あの頃はただただ面白くて夢中で観てただけだけど、
台詞とか構成とか、きっと無意識に影響受けているんだろうなって。
だからまた、もっと積極的にお芝居を観に行ってみようかと思ってます。
あの頃と同じように、ただただ夢中になるために。ね。

終演後は楽屋にお邪魔して、公私共に面倒を見てもらっている
戸田恵子さんと束の間のお喋りをしました。
三谷さんとも久しぶりにお会いして・・・
私的には「総理と呼ばないで」の現場を思い出しましたねぇ。
ま、そんなことはどうでもいいんだけど(笑)。

はぁー、何だかついつい筆が滑ってしまう。
これも新しい環境のせい?!
きっと私の直感は正しいはず・・・
この部屋で生まれてくる言葉たちがのびやかに羽ばたいていきますように!

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