COFFEE AND CIGARETTES
- 2004/12/07

昨日に引き続き、映画の試写会へ行ってきた。
ジム・ジャームッシュの新作「コーヒー&シガレッツ」。
新作といってもジャームッシュが10年以上に渡って
撮りためてきたものだとか・・・
様々な場所でコーヒーを飲み、煙草を吸いながら語られる、
どこにでもありそうな日常会話の切り抜き。
何ていうのかな、「面白かった!感動した!」と声を大にして
主張するような映画ではないけど、
「私は好き。ちょっといいよ」と友だちに教え、その友だちが観た後に、
それこそコーヒーでも飲みながらあれこれ語りたくなるような、
そんな映画だったと思う。
この「語りたくなる」っていうのが大事なポイント。
11本のショートストーリーはどれも、
2~3人の男女が座ったままでひたすら話をするだけなので、
彼らがどんな関係なのか、なぜ今ここにいるのか、
お互いをどういうふうに思っていて、何を伝えようとしているのか、
それをすべて会話から汲み取り、想像していくしかない。
明確な答えが提示されるわけでもないし、
だから終わった後も延々と想像を膨らませることができる。
一緒に観た人と意見交換をし、「ああ、そういう考え方もあるね」
なんて言いながら、頭の中でストーリーが続いていく。
ある意味とても贅沢な映画かもなぁ。
これはあくまでも個人的になんだけど、
感動巨篇の"物語"を創るより、こういう何げない"話"を創る方が
難しいんじゃないかなーと思う(どっちも好きだけどね)。
観てる人を引っぱっていくためには、
会話のひとつひとつ、それを口にする人間ひとりひとりに
高度なセンスや味わいといったものが要求されるというか。
それをやってのけるジャームッシュと、
その期待に応えた錚々たる俳優陣たちは、
ただただ素直に「すごい!!」と思ってしまいます。
それにしてもコーヒーと煙草って、
味わい深い人生と物語とを連想させる組み合わせだよね。
どちらも嗜まない自分が何だかつまらない人間に思えてきた・・・