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フクザツコウゾウ

  • 2006/09/10

200609102227.jpg

怖い夢を見た。
怖くて、とても複雑な夢。

夢の中で、私は大きな怪物のようなものに追いかけられている。
・・・って、これはとても分かりやすい。
何が複雑なのかというと、夢の中の私は私ではなく、
どこか異国の少年で、その少年というのは、
どうやら今自分が(夢の中で)読んでいる小説の主人公なのだ、
ということに、途中から気がつき始めるのである。

つまり私はストーリーの中にいる。
だから万が一怪物につかまったとしても決して殺されることはない。
でも、それが小説だと分かっていても、
読み手の自分には危害は及ばないと知っていても、
ものすごい恐怖を味わうことは確かで、
私が私でなく主人公である以上、
何ていうか、それはとても生々しく、
とてつもなくリアルなものとして襲いかかってくるだろう。
そんな恐怖はできれば味わいたくない。いや絶対に御免だ。
だから、今すぐに読むのをやめなければ。

そう頭で考えるのだけど、
どうすればやめられるのかが分からない。
そうしている間にも物語は進む。少年は追い詰められていく。
彼はいつしか祭りの人混みの中で、
行列に紛れて長い長い階段を上っている。
心臓がドキドキする。
少年は、このままここにいるのは
怪物が現れた時にかえってマズいことになるのでは・・・と思う。
下を見るとゾッとするほど高い場所にいて、
もし人々がパニックを起こしたら、
自分はここから真っ逆さまに落ちていくに違いないと確信する。
でも、物語は止まらない。
どんどん恐怖の瞬間が近づいてくる。
止めなければ!早く、ページをめくる手を止めなければ!

・・・と、そこで目が醒めた。
暑さと湿気で息が苦しく、身体がじっとりと汗ばんでいた。
心の底から、ああ、疲れたー、と思った。
何だこの複雑構造は。ものすごく頭が疲れる。
おかげで今日は何だか一日しんどかった。

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