Beautiful Islands
- 2010/07/13

海南友子監督作品『ビューティフルアイランズ』
7月10日より恵比寿ガーデンシネマ他にて公開中です!
海南さんとはお友だちとして仲良くさせてもらってるんだけど、
この映画は私が彼女と出会うよりもずっと前から、
本当に長い長い年月をかけて制作されたと聞いていたので、
何となく背筋が伸びる思いで初日の劇場に足を運んだ。
気候変動の影響を受け、
いずれは水の底に沈んでしまうと言われている3つの島・・・
ツバル、ベネチア、シシマレフ(アラスカ)。
ナレーションや音楽による演出を一切排除し、そこで暮らす人々の暮らし、
日常の姿をありのままに映し出したドキュメンタリー。
姿勢はとてもストイックなんだけど、
ちゃんと観客のことを意識したつくりになっていて、
まるで自分も一緒にそこを旅しているような、
そこにいる人々と実際に出会っているかのような、
臨場感と高揚感とをリアルに味わうことができる。
そのバランス感覚が心地よく、
海南さんという人の人柄そのものにつながるようで、
不思議な説得力があった。
普段、環境問題について真剣に考えているかと聞かれたら、
胸を張って「はい」とは言えない。
だけど、この映画を通して美しい島の姿に触れることで、
「ここがなくなってしまうのか」という事実が、
頭で考えるより体感として、胸の奥に響いて来た。
「戦争や災害が起こった後の状況だけでなく、
被害が起こる前の人々の暮らしを知ってこそ、
初めて失われたものの尊さを真の意味で理解することができる・・・」
海南さんが作品に込めたメッセージを、
私もわずかながら受け止めることができたような、そんな気がする。

公開記念の祝賀パーティーにも僭越ながら出席。
地球の未来を守るために活動している人や、
海南さんの考えや作品に賛同して集まって来た人が大勢いて、
話を聞いてるだけで刺激になった。
企画の立ち上げから公開まで、すべて自分の力でやり遂げられるなんて、
同じクリエーターとして心から尊敬します。
海南さん、無事に公開初日を迎えられてよかったね。
本当におめでとう!

余談だけど、8/28に公開される『東京島』のポスターも
ガーデンシネマに飾られていた。
本編が始まる前に予告編も流れたし。
お互いの作品のポスターが同時期に同じ劇場に飾られるなんて、
何だか嬉しいよね・・・と海南さんと話した。
ドキュメンタリーと劇映画、微妙にジャンルは違えど、
表現活動に携わる者同士として、
これからも刺激を与え合って行けたら最高だと思う。
そのためには、私ももっともっと、がんばって行かなくちゃね。
