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「エ・アロール」な日々

  • 2003/09/26

いきなり秋になっちゃいましたね。
何だかほんのり哀愁漂う気分です。

いくら残暑っていってもさー・・・という暑さにほとほと参っていた
「エ・アロール」キャスト&スタッフのみなさんは、
きっとホッとしていることでしょう。(30℃を超える日でもセーターや
コートを着なくちゃならない、役者さんは特に大変!)
でも、気温の落差についていけず風邪を引いてしまった人も多いみたい。
もうちょっと過ごしやすい「秋晴れ」が続いてくれるといいんだけどなー。

このところの私は緑山スタジオにいる率が高いです。
今回ご一緒させていただいてるプロデューサーの貴島さんは、
「現場の刺激をできるかぎり受けた方がいい」という信条の持ち主。
打ち合わせをあえて緑山の会議室で行い、
煮詰まった時はふたりしてリハーサルや収録風景を覗きに行って、
現場の空気に触れることで、発想の転換をはかるのです。

スタジオの前室(役者さんが出番を待つロビーみたいなもの)というと、
これまでは何だか居場所がなくて、緊張するってイメージだったんだけど、
おかげでだいぶ落ち着いて座っていられるようになってきました(笑)。
豊川さんはハードスケジュールでお疲れにも拘わらず、
すでに収録を終えたシーンのことや、
まだ私が見たことのないセットやロケ地について、
脚本を書く上での参考になるようにと、にこやかにお話をしてくれます。
緒形さんはいつも脚本の感想を丁寧に伝えてくださるし、
佳乃さんは天然の言動で場を明るく、和ませてくれてるし・・・
みなさんがとても楽しそうに、生き生きとしているのを見ると、
それだけで「私もがんばるぞ」って気持ちが湧いてきますね。
それに、ああ、自分もチームの一員なんだなって実感できるというか。
打ち合わせの合間にこうした時間を持つことは、
やっぱりすごく貴重で、意義のあることなんだろうなと思います。

そういえば昨日ある雑誌で、
「老人の恋愛なんてキモイ」という言葉を見かけました。
悲しいけど、これが世間一般の率直な意見なんでしょうね。
でもだからこそ「エ・アロール」を放送する意味がある、
どれだけの人に受け入れてもらえるか分からないけど、
今、私はこのテーマを書けてよかったと心から思いました。

このドラマを書くに当り、介護の仕事をしている友人から話を聞いたり、
実在する老人ホームの本などを読んだりしたのですが、
私たちの知らない、でも確実にいつか自分の現実となる世界が
そこにあるのだなと考えさせられました。
その上で、恋愛だけではなく、家族、友情といった様々な人間関係を
通して、「~なんて」と物事を既成の概念だけで片づけるのが
いかにつまらないことか、生きるということがどれだけ困難で、
そしてどれだけ素晴らしいことであるかを、
軽やかにたくましく描いていきたいと思いを強くました。

もちろん、ドラマはたくさんの人に見てもらうことが大事ですよね。
だけどもし仮に視聴率がよくなかったとしても、
「それがどうしたの?」と胸を張って言えるくらいに、
ベストを尽くすことが何より大事なんだと、私は信じています。

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