パリで落語
- 2013/11/28
やっとこの話まで辿り着いた。
今回のパリ旅のいちばんの目的は、
実は落語を観る(聴く?)こと。
りょんが昔からお世話になっている噺家の立川生志さんが、
25周年の記念公演をパリ・NY・ボストンで行うことになり、
「友だちいっぱい誘って応援に行くから、トモちゃんもぜひ来て!」
と言われたのが、そもそもの始まりでした。
パリで落語なんて、なんか楽しそう・・・
しかも開演前に会場でりょんがお茶を点て、
お客さんに振る舞うという。
「初めてだから何がどうなるか分からないけど、
できたらお手伝いもしてほしい。
よかったらリディとふたりでお運びさんやってくれない?」
え。私も参加していいの?
ただお客さんとして行くより、その方が俄然面白そう!
そんなわけで。
私も日本文化のために一役買うことにしました。
なんて、そんな高い志は当然ありません。
だってお茶のことなんて何も知らないし。
ほとんど文化祭ノリです(すみません)。
でもせめて日本の恥にはならないようにと、
リディを相手にリハーサル(笑)。
リディは日本に住んでいた頃にお茶を習っていたので、
所作が堂に入っている。着物も似合ってるでしょ。
しかしパリジェンヌにお茶の作法を教えてもらうって、
どうなんだろう。
ちなみに着物はりょんが私の分まで持参して着付けてくれました。
すごい・・・
まさかパリで着物を着ることになるとは思わなかったよ。
そして開場の時間。
お客さんは八割が日本人。
みなさん「こんなの久しぶり」「貴重だわぁ」と喜んでくれました。
フランス人のお客さんは「わあ、何これ?素敵!」って感じで、
「お抹茶苦くないのかなー?」と心配したけど、
残さずに飲んでくれ、笑顔で「ありがとう」とお礼を言われました。
もう何かね、嬉しかったよ、すごく。
日本人として、微力ながらお手伝いができてよかったと思いました。
無事に役目を果たした後は、心おきなく落語鑑賞。
題目は「初天神」と「井戸の茶碗」。
私は落語って詳しくないけど・・・
言葉だけですべてを伝え、
観客の想像力に訴えて映像を表現するのって、
すごく難しいことだよね。
生志さんの緩急自在で小気味よい語り口に、
思わず「あはは」と声を出して笑って、
最後はちょっと心がほっこりとして、
伏線の効いたキレのよい落ちに「うーん」と唸り。
畑は違えど言葉を生業とする者として勉強にもなったし、
とても楽しかったです!
会場は満員御礼で大盛況。
ただお茶の手伝いをしただけだけど、自分も一緒にこのイベントを
成功させたかのような達成感があるのはなぜ(笑)。
りょんのお友だちの江里子さんとも初めて対面。
ずっと話には聞いていたけど、エレガントで気取りがなく、
とても話しやすい素敵な大人の女性でした。
やっぱりみんなで何かを創り上げる現場の空気っていいよね〜。
そこに触れられたことが、この旅いちばんの収穫です。
生志さん、お疲れさまでした。
来週の出版記念落語会もがんばってください!